人生とは…「インディゴの気分」丸木戸マキ
おすすめ度:★★★★★
ラストシーンに号泣した。
「ポルノグラファー」過去編。及び丸木戸先生最新作。
電子版でてから即効で読みました。
切ない、辛い、そんな言葉では語りつくせない、”人生”を描いた作品。
「ポルノグラファー」が”再起”だとすれば、「インディゴの気分」のテーマは間違いなく”人生”です。
昨日一日中、思い返しては涙が止まりませんでした。
こちらの感想がかなり泣けましたので、読後の方はおすすめです。
以下、ネタバレになります。
▼インディゴの気分とは?
「インディゴ」ってどういう意味だろって発売前から思っていた無知な私です。
ス○ッツの「インディゴ地○線」て歌は知ってたけど、あんまり深く考えたことがなかったw
インディゴ=藍色
ブルーより暗い青ですね。
「mood Indigo」という歌が検索したらヒットしました
ブルーよりもひどいインディゴの気分
愛しい人は去ってしまった
私は孤独に涙する
誰も私を気にかけてくれないから
私の魂はブルーよりさらに冷たい
インディゴの気分に沈むと
もう横になって死んでもいいと思うんだ
そんな歌詞だと思います!(英語苦手なんで細かい事は気にしてはいけません)
この作品、悲しい!!寂しい!!辛い!!という鮮明な情動ではなくて、
鈍い物悲しさを感じる作品です。
まさにどんよりと重いインディゴですね。
大人になるとこんな鈍い痛みばかりですよね…
▼最悪な状況だった城戸と木島
↑ここエロかったww
城戸さん→結婚しようと思ってた彼女にポルノ小説の仕事やめないなら分かれると追い出される
木島さん→出版社と決別。借金してる。
木島さんやばすぎwwwww
給湯器買うお金もない。酒ざんまい。
あれウイスキーかな??ロックで飲むとかやべーーーーーーーwwww
あのお酒ポルノグラファーの時に飲んでたやつと同じかな??
ものを生み出し続けるってすごく大変なんですよね。
そして、求められてることが自分の書きたいものと違って
いろいろ口だされたりしたら、何も書けなくなってしまうかもしれない。
だれも支えてくれる人などいなかった木島先生に
唯一「ファンだ」と言ってくれた城戸さん(たとえそれがヨコシマな感情を含んでいたとしても)
木島先生はすごく嬉しかったんじゃないかな…
▼魔性の男の初恋
先生、相変わらずお美しいです;;;;;;;
「文学系ヤリチン」と呼ばれた、木島先生の初恋は城戸さんだったんですね
↑このシーン、泣いてしまった;;;;
「ポルノグラファー」でも、「書きたいんだ…ずっと…」と涙した木島先生
本当は書きたいし、こんな状況から抜け出したいんだよね…
唐突に、城戸さんに蒲生田先生に弟子入りしてほしいって懇願されたときもほだされちゃう木島先生。
「こうしたい
ああしたい
こうされたいとか
思ったことあるだろ」
蒲生田先生の言葉に対し、城戸さんとのセックスを思い描く。
それまでセックスに淡白だった木島先生が、初めてこうしたいされたいって思った相手が城戸さんだった…
↑城戸さんを想って自慰するシーンは切なかった
▼狡いけどやさしい城戸さん
かっこいいなぁ…城戸さん
狡猾なんだけど、城戸さんの持っている狡猾さは99%の人が持っているんじゃないかな?
金がほしい、地位がほしい、名誉がほしい。
世間に認められたい、親に喜んでもらいたい。
だから、木島さんを利用する、木島さんを抱いてるときには結婚する予定だった元彼女とよりを戻してた。
社長が、城戸さんが木島さんの担当じゃなくなって、もうすぐ結婚するんだって木島さんに言ったときはハラハラしたし、胸が痛かった。
あれ、木島さんの心境考えるともう…;;;;
でもしかたないですよね。
「まとも」な人間だったら、誰もが結婚して子ども作って親を喜ばせて認められたいって思うもの。
ただ城戸さんは優しいから、彼女との結婚を破談にしても木島さんの担当であり続けた。
最終的に別の女性と結婚して子どもを作るけどw
人間そんな簡単に価値観が変わるものじゃないんですよね。
↑ぐっときた
本当は城戸さんだって本を書いてみたかったし、世間体なんて気にせずまっすぐに生きたいんだと。
やりたいことをやって、父親の反対もおしのけて、小説家になった木島さん。
城戸さんは、木島さんがうらやましくて妬ましくて、尊敬していて、恋しかったんだと…
▼蒲生田先生
私の中で”人生”がテーマだった、この作品。
強く印象付けたのが蒲生田先生!!
はじめ、木島先生にセクハラするエロおやじかと思ったけど全然ちゃうかったですね!!ww
蒲生田先生も木島先生も多分「小説を書くこと以外なーんもやってこなかった」人
蒲生田先生にとって、木島先生は息子のようであり、同胞のような共感があったんですね。はじめて分かり合えるような。それは木島先生にとってもまたしかり。
その事を分かっていたから、蒲生田先生は自分がいなくなった時、木島先生がどうなってしまうのか心配だったんだと。
ああああああああああああああああああああああああ;;;;;;;;;;;;;
蒲生田先生;;;;;;
人生、もうどうでもいいな、横になってこのまま死んだっていいなって思うこともあるけど、
きっと本当に死を意識したときは悔いばかりなんでしょうね;;;
(私は隠してある同人誌処分してPixivとRentaのアカウント消したいw)
多分、このとき城戸さんも悔いが残らないようにしようと思ったんじゃないかと
木島先生に不誠実だったことを取り返したいと思ったんじゃないかなぁ…
だから、木島先生の担当でありつづけようと思ったんじゃないかなぁ…
▼スランプ再来
木島先生;;;;;;;;;;;;;;;
城戸さん、結局別の女性と結婚して「まとも」な人生を順調に歩み始めます。
一方、木島先生は小説が書けなくなる…
「木島のスランプは俺も原因だったんだろうか?」
間違いなく城戸さん、あなたですよ!!!!!!!
木島先生がエロいシーンを書く原動力は城戸さんだったんだから;;;;;
蒲生田先生の原稿完成させたときも、城戸さんのために書き上げたって言ってたし。
思い出すポルノグラファーのこの場面↓
「もう僕の中には削り取るものがないように感じる
空っぽです
空っぽなのです」
もう、木島先生の中には何もなくなってしまったのですね…
「インディゴの気分」読んだあと、是非また「ポルノグラファー」を読んでください。
あの時、木島先生がどれほど苦悩していたか、虚無だったのか、やるせなかったのかが分かります。
そして、久住くんの「大丈夫…」という言葉がどれほど救いだったのか…
ううう…久住くん最高すぎて吐きそう;;;;;
▼諦めた男の末路
「胸のどこかにずっと…
小さな炎が燻っているのだ
あの頃 あの日々に
燃やし尽くせなかったから
多分一生消えない」
人生だ…!!!!
この世界に自分の心に正直に生きている人間なんてどれくらいるのかっていうね…
木島先生色気ハンパないっす;;;;
こんな表情で「またね」って言われたら堪らなくなるじゃないですか;;;
多分、城戸さんはもう木島さんに会いたくないんじゃないかな…
いや、会いたいけど会いたくないっていう…
会うとまた恋しくて、やりどころのない寂しさを感じてしまうじゃないですか…
人生における価値観が全く合わなかった二人ですが、
木島先生も城戸さんのこと、心の片隅でずっと好きだと思うんです。
木島先生、一途っていうか、一度好きになったものはきっと一生涯好きな人だと思うから。
久住くんのこと、「宝物」って言ってるしね。
ううううううううう;;;;
あんなスランプだったときに、あの包容力見せられたらそうなっちゃうかもしれないですね…。
あとがき読んだら、編集の方々は、城戸さん派が多かったんですね。
私はぎり久住くんかなぁ…木島先生に幸せになってほしいからw
ただ、城戸さんの鈍く痛むような恋心には強く胸を打たれました。
↑このシーン「ポルノグラファー」のこのシーン↓を思い出しました。
絶対に「好きだ」とは言わない代わりに、こうして
「何かあったら連絡しろよ、体大事にしろよ」って言うんでしょうね…
ううううう…切なくて頭おかしくなりそう;;;;;;;;
▼諦めなかった男
目には目を、歯には歯を、変人には変人を。
やっぱり、木島先生には久住くんだったんですね。
「インディゴの気分」読むとどれだけ城戸さんが「まとも」な人か、
久住くんが変人なのか分かりますww
久住くんの実直さはなかなかイカれてるw
漢検1級だしw
書き下ろし+同人誌で描かれた「ポルノグラファー」のおまけ漫画。
エロいし面白かったですww
エロいwwwww
ヤリカーwwwwwwwwww
初めて聞いたwww私が無知なだけかな??w
「布団の上で返事してあげるよ」とかもうほんと魔性www
↓城戸さんの話題が出たとき
wwww久住くん察しいいなwwwかわいい///////
妹が元ヤンなのも木島先生が全然農業やってないのも面白かったwww
「インディゴの気分」最終的に物悲しい気持ちにはなりますが
ところどころ挟むギャグがかなりツボで、さくさく読めるお話だと思います。
↑こことか、めっちゃ笑ったwwww
そして、もう一度言いますが、「インディゴの気分」を読み終わったあと、
また是非「ポルノグラファー」を読んでみてください!!
空っぽになり、何もなくなってしまった木島先生がどんな風に”再起”したのか。
あのラストシーン、
「彼の青くそそり立った衝動が……
私の乾いた粘膜を
熱く 溶かしていく…」
この一節に魂を揺さぶられるはずです!!!
ランキング参加しています。おすすめあれば是非教えてください!!